OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『セッション』('14/デイミアン・チャゼル)

音楽は「音を楽しむ」ものだとよく言われる。当然英語圏の映画でこの言いまわしが出てくることはない。けれども、ある程度歳をとると、その言葉が欺瞞ではないかとさえ思えてくる。少なくともプロにとっては。ひょっとするとそこまで競争的に思えない音楽で…

『インサイド・ヘッド』('15/ピート・ドクター監督)

予告編を見たとき、これは「うつ」をテーマにした映画ではないのかと思っていた。さすがピクサー!踏み込むぜ!と思っていたら少し違った。 おそらくは、だ。そう思った理由は、ライリーのパートの色調がかなり暗くなっていたからだろう。 けれども、あの暗…

『シェフ~三ツ星フードトラック始めました~』('14/ジョン・ファヴロー監督)

「考えられるだけのいい女」の代名詞として出すのにふさわしい女優、今なら誰になるだろう? それは、男子同士でコマーシャルなどでよく見かける日本の女優さんの話をしていたのに、「おまえそれは反則だよ!」てな具合にその人の名前を出したらそこで話が断…

『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』('15/クリストファー・マッカリー)

今年は日本で公開されるスパイ映画が連続している。 『キングスマン』9月11日公開予定 『コードネーム U.N.C.L.E.』11月12日公開 『007 スペクター』12月4日公開 これでポール・フェイグ監督メリッサ・マッカーシー主演の『Spy(原題)』が10月に公開してく…

『西遊記~はじまりのはじまり~』('13/チャウ・シンチー)

日常で抱えている鬱憤と作品の発するメッセージが一致する瞬間がある。そういった瞬間のために僕は映画を見ている。 最近少し嫌なことがあった。「強い者」が自分より弱いと思い込んでいる相手を選んで喧嘩を売り、さらに強い者からの攻撃はうまくかわして世…

『おニャン子ザ・ムービー 危機イッパツ!』('86/原田眞人)

アイドルに夢中になったことはない。 確か中学高校の頃は広末涼子とか優香がいたし、モーニング娘。も全盛期だったけど、当時の僕はロックが好きで、自分で曲を作って自分で唄うことこそ芸術表現だと思い込んでいた(もちろん今はそう考えていません)。あと…

『バケモノの子』('15/細田守)

結構、気を遣っている。 2015年現在、細田守、という監督を巡る言説についてはいろいろややこしい。 はじめに、細田守作品の持つ思想や雰囲気が苦手という人と好きという人がいて、まずここで評価が分かれる。細田守作品はこういった思想を持っているので苦…

『1999年の夏休み』('88/金子修介)

髪がピンクの少女に出会ったのは人生のエアポケットの時期だった。 と、書くとなにやら怪しいロリータ小説でも始まりそうだが、なんのことはない。人生の中で少々落ち込んでいた時期に『少女革命ウテナ』('97/幾原邦彦)を観て感銘を受けたということだ。 決…

『闇のまにまに』('09/友松直之)

夏である。特に今年の夏は猛暑だ。そこで冷ややかな映画を紹介したい。 90年代の日本映画には夏の香りがする。特に、あのフィルムのざらつきが、他のどの時代のどの国の映画よりも「夏」を思い起こさせる。 僕は勝手にその感触を「夏のぬけがら」感と呼んで…

日本映画はしゃもじである

平成27年8月1日から公開された映画『進撃の巨人 Attack of titan』('15/監督:樋口真嗣)にて特殊造形を担当した西村喜廣(またの名を西村映造)さんのツイートが炎上している。みんな映画はハリウッドがいいんだね!じゃあハリウッド映画だけ観ればいいよ…

『百円の恋』('14/監督:武正晴)

「物事を始めるのに遅すぎることなんて無い」なんて嘘っぱちだ。サボっていたツケは必ず払わされるし、若い時からコツコツやっていた連中には敵わない。それでも、始めないという選択肢は、無い。 『百円の恋』('14/監督:武正晴)。実家でニート暮らしを…