OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

SIREN

2006年公開
監督:堤幸彦 
出演:市川由衣田中直樹森本レオ阿部寛西田尚美松尾スズキ嶋田久作高橋真唯、西山順

 ホラーゲームの映画化。劇場でホラー映画を見たのは久々だったのですが、かなり楽しめました。音に通常の三倍の情報量が詰め込まれているなどという前情報を聞いていたのですが、確かに、音声の迫力はすばらしかったです。この映画は劇場で見たほうがいいですね。それは音声に限らず、暗闇の中での死人との格闘シーンの主観映像は見えない敵と戦う恐怖が描かれていたからです。これは、言っては悪いけれどもDVDで観るとしょぼく見える可能性もあるので。
 これをみて、かなり楽しめたし、90分があっという間だと思ったのですが、何かが足りないなあ、と上映終了後しばし考えました。それで気づいたのが、たとえばこれがハリウッドなんかで製作されたとすると、キャストもこれの倍以上出して、それで由貴が鉄塔にたどり着くまで死人と戦うシーンで前編の半分くらいを使って、観客が怖がり疲れたころに謎を解くと思うんです。もちろん、その撮り方が正しいのだというつもりは毛頭ありませんし、僕としては堤さんが序盤にかなり時間を割いて描いてた孤島のもつ呪術的な禍々しさが結構好きなので、この映画もすきなのですが、中盤の父親との格闘シーンでかなり怖がらせてもらっただけに、少しだけ物足りなさが残りました。
 それとこの作品で気になるのが、脚本において未回収の伏線、それに矛盾の多いことです。あまりいうとネタバレになるのでいいませんが。あの結末ならばもう少しそれに合わせて演出してほしかったです。少し怖がらせるテクニックを前面に出しすぎたようなきがしないでもありません。
 それと、市川由衣のキャスティングは、演技は結構よかったですが、きっとこのキャスティングに重要なのは手垢がついていないことなのだと、最後まで観て実感しました。

まつげエクステのカール