OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

日本列島

 社会派映画監督・熊井啓の1965年の映画。
 とにかく空恐ろしくなるのは、もしかすると今でも日本はアメリカに支配されているのではないかと思わされること。
 少しずつ真実が明らかになりそうで、それが目の前で掠め取られてしまうような、そんなもどかしさが感じられる。まだ情報を手に入れるということが甚だしいほどの労力を有する時代に、真実を明らかにすべく戦っていた人たちがいたの言う感慨はある。正直、ここにあるのは一方的な視線なので、さまざまな視点を自分なりに消化しないとこの作品に評価を下すことはできないのかもしれない。前作「帝銀事件 死刑囚」があくまでも個人にスポットを絞って言ったのに対し、ここでは最後まで「事件」そのものを描いている。
 特に映像的には目新しいところはありません。ただ、この方法論を受け継いで、映像的な魅力を加えて「砂の器」ができたのかもしれないなと思いました。

日本列島 [DVD]

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