OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

接吻('08/万田邦敏)

 口コミで話題になった2008年の映画。

 内容は、死刑囚と結婚した女の話で、宅間某の事件をベースにしているものの完全にフィクションとなっている。

 死刑囚と結婚しようと思うなんて、と私たち一般人には理解不能に思われることを、なんとか理解できる範疇に落とし込もうとしている感じがある。

 これをみて思ったのは、主人公はその善良な性格ゆえ世間から疎外されている感じがひどくて、そこから非日常へいざなってくれるのがこの死刑囚だとニュースをみた瞬間に思ったのだろう、ということ。
 そして死刑囚と面会を重ねていくにつれて見えるのが、結局主人公が死刑囚のことを好きなのも、そういった意味合いのことを押しつけているにすぎないのではないか、ということ。
 だから、死刑囚が控訴すると主張したことでその関係性は崩れ、主人公は破滅へと向かっていく。
 けど、実際に僕らが人を好きになるとき、本当にその人のことが純粋に好きってだけのことがあるのだろうか?何らかの意味合いが含まれていないなどということが。
 特にこの映画の場合は、世間に疎外されているという一種の被害妄想が、決して個人的にも理解できないわけではなかったため、主人公の事を突き放して見ることはできなかった。
 きっと仲村トオル演じる弁護士も少しはそう思っていたと思うよ。

 主人公を演じる小池栄子はきつい顔立ちが役に合っていたとは思った。ただどうしてもおっぱいに目が行ってしまうのだけれど。

接吻 デラックス版 [DVD]

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