OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

乱反射 ★★★★

 後述するスノーフレークがあまりにもひどすぎて印象が悪くなっているわけだが・・・。
 少なくともこれは誤魔化し切れていたと思います。8ミリを用いた演出は多少手あかがついた表現ではあるけれど・・・。
 田舎道、ローカル線、バス停、旅館など、「真夏の思い出」を演出するに最適なロケーションだと感じた。
 ストーリーとしても、
?短歌というマイナーな趣味を持つ女の子が失恋をきっかけに「自分には他者がいないこと」を知り、短歌が読めなくなる
という「これから埋められるだろう欠如」がうまい具合に示された導入。
 高島礼子演じる母から諫められるシーンが、プロットポイント?
?幼馴染のコーちゃんとのロードムービー
 では彼女がコーちゃんの人柄に触れ初めて「他者」の存在を意識する。
 また、その際のお手本となるべき人物として現れるコーちゃんのおばあさんなど、
 コーちゃんのおばあさんが再婚を断るところがプロットポイント?。
 ここで、主人公の初恋にビターな結末が待っていることを予感させる。
?そして、彼女が告白をするも直前で止められ、失恋したまま旅を終えようとするところ。
 ラストは彼女の親友イズミに背を押されコーちゃんのもとへ駆けつけていくところで終わる。
 あくまで予感で終え、成就するかしないかははどうでもよくなる爽快感のあるエンディングだった。

 不満としては、酔っぱらった際の演技がまだ桐谷美鈴はフリ幅が小さいところ
 親が離婚しているという設定が余計に感じたところ、など。

 少なくとも、ここで観終わっていれば青春映画として期待の監督作品で済ませるはずだった。