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OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

30歳をすぎてはまったものいくつか

essay

 

 若い時でないと響かない表現もあるし、その逆もまた然り。

 特に青春を感じさせるロックなど、僕は今聴くのはちょっと引き裂かれるような感覚に陥ることもあって、寝かせ時なのかなと思う。

 それで、僕は30歳になって半月くらいなのだけれども、なんとなく30を超えて好きになったものを列挙してみる。特にそこに法則性があるかはわからないけれども。備忘録的に。

  • 宇都宮しをん

 いきなりかという感じだけれども、AVも確かに僕にとって若さを象徴するものではあるのですよ。だからこそこれとの付き合い方について再考を迫られている今。

 ただ、この宇都宮しをんという女優を観て、なんというか、AV女優というのはすでにもう戻ることはできない地点に到達したんじゃないかとさえ感じた。パンドラの箱を開けてしまったのではないかと。

 それまでは、「巨乳の女優さんは顔は少しくらいへちゃいほうがいいのさ」なんて言っていられた。この宇都宮しをんという女優さんを観てから、なんというか、自分の心に正直になるとみんなが好きというであろうものを好きと言わざるを得ない、ある種の葛藤を抱えた。

 はっきりいって、ルックスはアイドルとしても通用する級で、体もスレンダーなのに胸だけが巨乳AV女優のそれという、一種キメラのような女優さんなのだけれども、いうなれば宇都宮しをんでもって他のAV女優数人分の魅力を兼ね備えていると言っても過言ではないかもしれないとさえ思った。おそらく、美人系が好きで巨乳はあまりという人も唸らせるのではないか。

 それと同時に、こんな女優さんを生んでしまって、果たして僕らはもとの世界に戻れるんだろうか、これから登場する女優さんで宇都宮しをんを超える存在が現れるとは思えないし、彼女が去ったのちは虚無が待つだけではないだろうかという不安にもとらわれた。

 

ビル・エヴァンス

 ロックというのが自分にとって過去のものになってきたのがわかった。だから、新しく何を聴くかずっと考えていた。で、ひょんな折に聴いた『Undercurrent』がまさに今の自分の心境にぴったりくるように思えた。

 美しく、繊細で、音数の多いピアノが今の自分の混沌を中和してくれるように感じたのだ。

 ビル・エヴァンスという、私生活はこれ以上ないくらい破滅的だった者がこれだけ美しい音楽を残す、そこに僕はなにか芸術の本質たるものを感じてならない。