サニーデイ・サービス「東京」
ようやく福岡にも桜が咲いて春らしくなったのでこのアルバムを聴いています。ベタですけど。
サニーデイ・サービスが1996年にリリースした二枚目のアルバム。サニーデイの代表作で、日本語ロックの名盤とされています。サニーデイといえば、マンマといっていいほどに70年代のフォークや60年代のロックからの影響が見られるサウンドと、グッドメロディ、そして曽我部恵一さんの甘い声が特徴とされています。僕はこのアルバムを後追いで聞いたのですが、知ったようなことを言いますとフリッパーズギターやピチカートファイブがやっていたサンプリングを、よりバンド側に接近して音楽を作っていたのがサニーデイだと思います。
昨日の日記で、ゆらゆら帝国は感情の吐露という気がしないと書きました。サニーデイは一見メッセージとは別のラブソングが主で、ポップ寄りなので感情の吐露とは別の方法のように見えますが、個人的にはむしろサニーデイのほうがスタイルとしてはロックに見えなくても感情を吐露しているという意味ではロックのように思えます。多分、僕のように春が来たら「東京」を聴いて、夏には「24時」、秋には「サニーデイ・サービス」を聴くサニーデイファンって少なくないと思うんですよ。それは思うにサニーデイを日々のBGMにしたいからで、それがフリッパーズギターから続くシブヤ系リスナーの音楽に対する態度・意識だと思います。サニーデイ側でもそういった意識を持って音楽を作っているような気がするので、サニーデイはロックだと思います。
さて、この「東京」というアルバム、一般的に名盤とされていますし、確かに極上の名曲が多数入っているのですが、僕としてはサニーデイの最高傑作だとは思いません(最高傑作は「愛と笑いの夜」か「サニーデイ・サービス」)。理由は、確かに前半の流れは最高なのですが、後半がそれほど派手な曲も無いせいもあって若干印象に残らないからです。けど、このアルバムを休日に部屋でかけていると、この後半もただ流しているだけでもけだるい雰囲気にマッチしてよいです。「愛と笑いの夜」〜「24時」までの派手なロックアルバムを出した後サニーデイは「MUGEN」で再び薄味に戻ったと思います。その後「LOVE ALBUM」ではまた派手な方向に戻り、曽我部さんのソロになってからはどちらかというとこの薄味傾向が強いと思います。おそらく、これが曽我部さんの基本となるスタイルなのでしょう。けだるい日に聴いてほしいです。
- アーティスト: サニーデイ・サービス
- 出版社/メーカー: ミディ
- 発売日: 1996/02/21
- メディア: CD
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