OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

ALWAYS 三丁目の夕日

2005年・日本/
監督・脚本・VFX:山崎貴 脚本:古沢良太 音楽:佐藤直紀
出演:吉岡秀隆(茶川竜之介)、小雪(石崎ヒロミ)、須賀健太(古行淳之介)、堤真一鈴木則文)、小清水一輝(鈴木一平)、薬師丸ひろ子(鈴木トモエ)、堀北真希(星野六子)、奥貫薫(古行和子)、もたいまさこ(大田キン)、小木茂光(佐竹幸弘)、小日向文世(川渕康成) 、三浦友和(宅間史郎)、 マギー、温水洋一ピエール瀧松尾貴史益岡徹木村祐一麻木久仁子 

 泣けました。以上。
 で終わっちゃいけないんだよね。まあ、つらつらと。
 もともと西岸良平さんの作風が好きで、何冊かSF短編なら持ってたりします。あの絵なんですけど、なんというか路地裏のSFという感じがして、その内包する科学への憧れという形が根底にあると思います。
 小学生のころアニメ化されたのも見たことがあります。体験したことのないはずなのに不思議と懐かしい風景が最高でしたね。
 それで、この作品なんですけど、個人的にはそういった懐かしさの表現が足りなかった気がします。淳之介と一平が遠くまで出かけて帰れなくなったときの夜が一番雰囲気出てた気がします。
 カメラワークの動かし方がすごくいいです。本当に引き込まれます。
 演技に関して、一番驚いたのは堤真一さんですね。あんな演技もできるんだと思いました。ロクちゃんは原作とは違って女性に変更されています。ロクちゃん役の堀北真希は絶対にこれからの2年で伸びる女優さんだと思います。反則って言っていいくらいに笑顔が可愛いんですよ。それで、今回もかなりコメディタッチの演技をしてくれていて、よかったです。ただ、東北弁を自然に操るにはまだ達していなかったかな。
 それと、実質的な主役の茶川龍之介役の吉岡秀隆さん。茶川をどちらかというと幼さを捨て切れてないダメ大学生っぽく描く手法は新しいと思いました。
 今回の映画の疑問点。たいていこの時期の女性って栄養摂取が足りていない関係で、背はせいぜい150cm、時には140cmに届いていない人だっているくらいなんですよ。ですから、ヒロコ役の小雪の身長170cmがどうしても気にかかりました。華奢な体つきや微妙に薄幸そうな顔つきはこの作品の世界観にマッチしていると思うだけに。
 あと、基本的に悪人はいないという設定で監督は書きたかったんだと思うだけに、王手会社社長や、淳之介の母親の背景を描けなかったのは残念。それにしても、淳之介たった6歳でこんな経験をしたら確実にトラウマになると思うけどな。
 泣いたシーンは、ロクちゃんが郷里に帰るところですね。このシーン、客席のあちこちからすすり泣く声が聞こえてきました。個人的に泣けたのは茶川エピソードよりもロクちゃんエピソードですね。共感の度合いが大きかったですね。
 あと、やはり泣けたのは演出がかなり派手だったのにも起因しているとは思います。1950年代に作られた日本映画は、泣けるほど派手な作りはありませんが、見終わった後にじんわりとしたものを胸に残す感があります。

三丁目の夕日映画化特別編 (ビッグコミックススペシャル)

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