OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

BILLY JOEL「THE STRANGER」

 アメリカのシンガーソングライター、ビリー・ジョエルの5枚目のアルバム。1977年発表。
 aikoは自身の音楽に「スルメ・ソング」と名付け聴けば聴くほど味が出るってことを主張しているのだけれど、そんな「スルメ・ソング」の元祖がおそらくビリー・ジョエルではないだろうか(元祖とは限らないけど)。
 曲は。ビリー・ジョエルというジャンルが既にできあがっているっていうくらいに統一感があるんだけれど、そんな中でも多彩なソングライティングを見せている。洋楽を聴かない人にもお馴染みの「ストレンジャー」はもちろん、曲の展開に舌を巻く「イタリアンレストランにて」やバラードの「ウィーン」「素顔のままで」「シーズ・オールウェイズ・ウーマン」は詩に注目して聴くとその曲はさらに輝きだすし、ロックナンバーの「若死にするの善人だけ」「ムーヴィン・アウト」もいい。メロディはポップソングの魅力あふれるすんなり入ってくるメロディでいながら、よく聴くと複雑な動きをしている。
 このアルバムは、スーツ姿でベッドに座り傍らにマスクを置いたビリー・ジョエルの姿を写したジャケットが目を引く。ぼくのイメージだけど、ニューヨークはやはり都会のイメージは強いし、その「都会」におけるビジネスの流れの中でうまくなじめない田舎者もきっといる。ビリー・ジョエル自身はニューヨーク出身だが、きっとそういったマイノリティ意識を持った人なのだと思う。だから、このアルバムを聴くのに最も適したコンディションは、仕事が終わって何もしないで一息ついているときに心の疲れをほぐすようにそっと聴く感じ。
73/100

ストレンジャー

ストレンジャー