ヘザーズ ベロニカの熱い日
高校生の頃は今以上に傷つきやすかった。自殺なんて年がら年中考えていたかもしれない。
主人公のベロニカ(ウィノナ・ライダー)は他人の筆跡を真似るのがうまいこと以外は平凡な高校生だ。ヘザー率いる女子グループで一番下っ端みたいなポジションに居る。
ある日ベロニカはグレチキの北原雅樹のような顔をした、ちょっとイカレタ男子・JD(クリスチャン・スレーター)と出会う。
パーティーの日に成り行きでヘザーを殺してしまったことから、彼らの狂った日常が始まる。
と、まあ、こんな風に書くとミステリーやサスペンスの要素が強そうだが、実はブラックコメディな青春映画だ。自殺した人は美化されやすい風潮を皮肉った葬式シーンとか面白い*1。
この後彼らはいわゆるアメフト部員とかの、学校内でも人気者の地位にいるような人たちを自殺に見せかけて殺していくのだけれど、常識人のベロニカはそれに反発するようになる。
JDは、学生の自殺に意味をつけたがる風潮を揶揄する。そして、エスカレートしていったJDは、ついに学校爆破まで計画する。
最後はJDの手によって食い止められるのだけれど、不思議な余韻をもったラストだ。正義は勝つ、ってな単純明快な構図でもなく、不思議と観客を少しずつJD側に引き込むような、そんな魔力がある。
太った女の子が死ねば人気者になれると車に轢かれようとするシーンなど、小ネタもかなり効いている。ただ、中盤にダレたのが残念。
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