OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

先週の読書記録

2009年4月13日 - 2009年4月19日の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2408ページ

シャングリ・ラ 下 (角川文庫)シャングリ・ラ 下 (角川文庫)
面白かった。多少収束に手間取った感じはしたが、これだけ多くの要素が盛り込まれた物語を紡ぎだした作者に拍手を送りたい。初めて池上永一を読む人にもいいんじゃないだろうか。一つだけ腑に落ちないのが、脇役のキャラクターが濃すぎて肝心の國子のキャラが後に引っ込んでいる気がすること。個人的には小夜子がよかった。

読了日:04月19日 著者:池上永一
http://book.akahoshitakuya.com/b/4043647050


シャングリ・ラ 上 (角川文庫)シャングリ・ラ 上 (角川文庫)
池上永一を読むのは二冊目。相変わらずの変態キャラ(いい意味で)のオンパレードに、SF色強い設定、さらに経済の要素も詰まっていて、読むのが止められなかった。下巻を読んできます。


読了日:04月19日 著者:池上永一
http://book.akahoshitakuya.com/b/4043647042


サブプライム問題とは何か アメリカ帝国の終焉 (宝島社新書 254)サブプライム問題とは何か アメリカ帝国の終焉 (宝島社新書 254) (宝島社新書)
今更ながら。サブプライム問題について英文学の翻訳のような文体で解説してくれているのが特徴。読んでいて思ったのが、この問題がアメリカ人の心性、オプティミズムとエゴイズムから来ているということだった。サブプライム問題とは100年近く覇権を握ってきたアメリカという国の限界を示す事件だったのかもしれない。となると、ここからがオバマの腕の見せ所かな。あるいは、覇権国アメリカの最後。

読了日:04月18日 著者:春山昇華
http://book.akahoshitakuya.com/b/4796661557


芽むしり仔撃ち (新潮文庫)■芽むしり仔撃ち (新潮文庫)
伝染病の疑いにより隔離された子供たちが楽園を作る物語。伝染病の恐れという脆い基盤にも関わらず、子供たちだけの世界は魅力的に映る。主人公と少女の恋愛なんて完全に青春小説だ。それだけにこの世界が内部と外部の両側から崩壊する様は辛かった。村人たちの悪役具合がステレオタイプな気もしたのだが、この子供vs大人の構図は決して戦時下のみの特殊なものではないのかもしれない。これまで育ててやったのは誰だと思ってるという言葉とか。

読了日:04月17日 著者:大江健三郎
http://book.akahoshitakuya.com/b/4101126038


インディヴィジュアル・プロジェクション (新潮文庫)インディヴィジュアル・プロジェクション (新潮文庫)
免許の更新の待ち時間に読んだのだが、公安委員会で読む本じゃなかったな。東京を舞台にしていて洗練された印象を受けるのは私が田舎者だからだろう。90年代という物語が失われてしまった時代に革命という物語を組み込むという構造が面白い。
これが80年代の小説だったら「コインロッカーベイビーズ」みたいに核爆発して東京壊滅となったのだろうけど、頭の中だけで物語が収束したのがこの時代っぽいなーという印象を受けた。北野武の映画「3-4×10月」を連想した。
読了日:04月17日 著者:阿部和重
http://book.akahoshitakuya.com/b/4101377219


現代政治学の名著 (中公新書)■現代政治学の名著 (中公新書)
文学や哲学の古典と違い、政治学のそれは実学的傾向の強さゆえか、改めて今読むとなると普遍性への疑問から躊躇する。その流れに一矢報いるのがこの書の目的で、ミヘルスやウェーバーなどの名著を簡潔に紹介しつつも批判的検討を加えることで現代政治への橋渡しをしている。個人的には、辻清明の本の文学的表現を指摘しているのが面白かった(文学性に触れたのはここだけなので)。足掛かりには良い書なのだと思う。

読了日:04月17日 著者:
http://book.akahoshitakuya.com/b/4121009185

ヨーロッパ「近代」の終焉 (講談社現代新書)■ヨーロッパ「近代」の終焉 (講談社現代新書)
ヨーロッパ近代を批判的に読み解き、現代の「民主主義」に警鐘を鳴らす意欲的な書。日本の輸入したヨーロッパ観が近代の陰の部分にあたることや、白人優位主義についての記述が目から鱗だった。ただし、あくまで問題提起に終始していて、解決案を提示できていないところが難点。しかし、この問題意識は現代でも有効だろう。

読了日:04月14日 著者:山本雅男
http://book.akahoshitakuya.com/b/4061490885

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)■生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)
科学の本とは思えないほど流麗な文体。少々寄り道がすぎる気がしたけれど、後半の展開のドラマチックさに免じて。文系脳の自分としてはこういう筆者の体験が前面に出た構成のほうが読みやすい。


読了日:04月13日 著者:福岡伸一
http://book.akahoshitakuya.com/b/4061498916


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