『浜辺の女』(ジャン・ルノワール)
素晴らしかった。スコット、ペギー、テッド、3者3様の過去への執着、それらの作用によってドラマが進む。
ペギーとテッドの関係性は『散りゆく花』を連想したし、また、これより後の作品だが『めまい』に近いものを感じた。
テッドの家の美術はゴシックなものを感じさせ、それ自体が実に過去にとらわれているという感触をもたらす。また、スコットの海軍時代のトラウマを現す夢の合成には明確に興奮するものを感じた。
少しこの作品についてネットで評を漁っていたのだけれども、大方「脚本が破綻している」との統一見解がある(評価の上下は別として)。けれども、僕が見終わったとき、あまりこの点は気にならなかった、というよりも脚本が破綻しているとは思わなかった。指摘されて気がついた。
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