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OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

トリック劇場版 ラストステージ  ★★

(@シネマQ)
 トリックの劇場版の中では一番出来がいいと思う。そりゃ、ミステリーとしては犯人が聞かれてもいないのに真相を明かすタイプのダメダメ作劇だし、小ネタの挟みもわずらわしい。けど、嫌いになれません。
 ある程度『トリック』の登場人物に愛着が出来ているからかもしれない。鬼束ちひろの「月光」を大音量で聞けたからかもしれない。ただ、今回は堤幸彦独特のこけおどしがうまく作用しているように感じた。1期トリックの醍醐味は、仲間由紀恵演じる山田奈緒子が「自分は霊能力者かもしれない」とアイデンティティを揺るがす、その不安定さが、不安定さを煽る演出と、深夜に見ているという感覚にマッチングしていたところにあると思うので、その感覚がわずかではあるが戻ってきた気はした。ただ、それならもっと(奈緒子のアイデンティティを)揺るがせてもいいんじゃないかなとは思った。上田次郎阿部寛)が自身の科学信仰を揺るがせるかもしれない事件が起こるのに、それを活かさないのはもったいないし。あそこで山田の霊能力者観を露わにするなら、村民の姿を映す必要があった。
 一番文句があるのは、エンディングの切り方で、あれよりもっと早いか、最後まで映すかのどっちかを選ぶべきだった。ちょっと説明的にしすぎたような。
 正直文句の方が多いのだけど、でも嫌いになれない作品ではあります。