谷川流「涼宮ハルヒの憂鬱」
第8回スニーカー大賞受賞作で、谷川流さんのデビュー作。ジャンルとしてはSFと学園モノということになるのでしょうか。いわゆるライトノベルですね。
あらすじは、「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、超能力者がいたらあたしのとこに来なさい」とぶっとんだ自己紹介をかました涼宮ハルヒ。彼女に興味を持ったばかりに主人公「俺」の平穏無事に終わるはずだった学生生活は「超常」に巻き込まれていく。メイドあり巨乳あり無表情キャラありの非日常学園ストーリー。
ってことになるのでしょうか。とりあえず、あらすじをみて読むのをやめる人も多いでしょうね。こんなマジメさに対して喧嘩売ってるようなストーリー。生真面目な人は嫌いでしょう。確かにあまり内容のある作品とはいえないけど、内容のない、ほんの箸休め的な作品を書くのは意外と難しいと思うよ。ここでは、確かにハルヒの暴走が読む者に不快感を与える可能性、エンターテイメントへの傾斜による一貫性の無さなど問題はたくさんあるけど、読んで笑ってこの世界いいなあって思う、そんなライトノベルの役割は果たしてくれてると思います。
ただ、このジェットコースターのような展開、モラトリアム感満載の主人公たちの様子は個人的にはかなり面白く読ませていただきました。
あと。この話は主人公の独白で進むのですが、主人公の微妙にさめたツッコミの様子、微妙に2chっぽいなと思いました。この主人公に正式名称はなく、キョンってあだ名で呼ばれています。このあだ名が「猟奇的な彼女」の主人公・キョヌを連想させます。まあ、あまりつながりはないのでしょうが。微妙に気の強い女の子に振り回されるって立場も似ていますし。
あと、エヴァからの影響。キャラクターとしてどうしてもハルヒ=アスカ、長門=レイ、古泉=カヲル、っていった感じ。朝比奈さんにはエヴァでは例が見つからないけど、エロ漫画なんかではよくいるキャラですね。多少内面精神構造に入っていくところとかもエヴァからの影響を感じさせますね。
あと、実はあまりいとうのいぢさんのイラストは好きじゃなかったりする。眉毛の書き方がちょっと・・・。
78/100
- 作者: 谷川流,いとうのいぢ
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2003/06
- メディア: 文庫
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