女が階段を上る時
成瀬己喜男監督作品。1960年。成瀬監督は2回目。高峰秀子を観たのはこれがはじめて。キャバレーの女性たちを描いた映画。黛四郎のジャズ音楽が印象的。ちなみにビリー・ワイルダーの「アパートの鍵貸します」も同じ年。あれもジャズの使い方が独特の雰囲気を出していた。
高峰秀子を観るための映画なんだろうか。この気の強そうな、画面の真ん中で存在感を示すような魅力のある女優さんは今いないなと思うのだけれど。店の中で「ママ」としてしっかりした面を見せたり、家族の前で不満をもらして見せたり、柄にもなく好きな男の前で泥酔して見せたりと、一人の女性の中の奥行きを出してみせる演技はすばらしい。
仲代達也は身勝手ですね。ストーリー上での扱われ方からなんとなくママのことが好きなのだろうなということはわかっていたけれど、自分の幻想をママに負わせてますね。このころの仲代達也は今だと宇梶剛史に似ていると思う。団令子のぶりっ子で世渡り上手なキャラは現代の映画でも形を変えて出てきますね。団令子ってどこかで見たと思ったら「大学の若大将」に出てたんだ。
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