OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

サンボマスターは君に語りかける/サンボマスター

 最近ひさびさに聴いたけれど、やっぱりいいアルバムだなーと思った。

 このアルバムをよく聴いていた2005年当時にはうまく言語化できなかったんだけれども、今なら「なぜあの頃サンボマスターの楽曲に惹かれたのか」がわかる。

 サンボマスターは、あの当時においてイースタン・ユースに並ぶくらい「思いを伝えることの困難さ」を表現していたミュージシャンだった。

 失礼な言い方にはなるけれども、サンボマスター山口隆も、イースタンユース吉野寿も、お世辞にも容姿が優れているとは、言えない。
 それゆえに、思いを伝えるということの困難さを知っており、だからこそ「どうすれば目の前の人に、さらにはスピーカーの向こうのあなたへ思いを伝えることができるのか」ということに自覚的だったのだと思う。

 山口隆の過剰なまでのパフォーマンスとオーディエンスへの呼びかけは、ここまでしないと相手には届かないという思いの現れだった。
 そして、2000年代の一時期に、確かに届いていた。多くは色物としての評価だったかもしれないけれど、それでも届いた人は確実にいる。
 ここにも、ひとり。

 それはきっと、素晴らしいことだと思う。