サンボマスターは君に語りかける/サンボマスター
最近ひさびさに聴いたけれど、やっぱりいいアルバムだなーと思った。
このアルバムをよく聴いていた2005年当時にはうまく言語化できなかったんだけれども、今なら「なぜあの頃サンボマスターの楽曲に惹かれたのか」がわかる。
サンボマスターは、あの当時においてイースタン・ユースに並ぶくらい「思いを伝えることの困難さ」を表現していたミュージシャンだった。
失礼な言い方にはなるけれども、サンボマスターの山口隆も、イースタンユースの吉野寿も、お世辞にも容姿が優れているとは、言えない。
それゆえに、思いを伝えるということの困難さを知っており、だからこそ「どうすれば目の前の人に、さらにはスピーカーの向こうのあなたへ思いを伝えることができるのか」ということに自覚的だったのだと思う。
山口隆の過剰なまでのパフォーマンスとオーディエンスへの呼びかけは、ここまでしないと相手には届かないという思いの現れだった。
そして、2000年代の一時期に、確かに届いていた。多くは色物としての評価だったかもしれないけれど、それでも届いた人は確実にいる。
ここにも、ひとり。
それはきっと、素晴らしいことだと思う。
- アーティスト: サンボマスター,山口隆
- 出版社/メーカー: ソニーミュージックエンタテインメント
- 発売日: 2005/01/19
- メディア: CD
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