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OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

R-18文学賞 vol.1 自縄自縛の私(竹中直人)

 正直にいえば序盤〜中盤はいまいちかなと思っていた。キャラクターが平板でその他の描写もリアリティがなく、役者でひっぱるのも難しいのかと。ただ、このちゃちさが終盤の展開に活きてくるように感じた。

 ラスト40分、往年のロマンポルノを思わせるような展開に入る。それまで、この題材にしてはあまりエロく感じなかったのだけれども、その抑揚が効いたのか、とにかくエロい。あと、ここで縄で縛るという行為が持つ多義性が露になってくるところもよかった。通常、映画等でアブノーマルな性行為が描かれるのは、その人物が「出逢い」を求めているとされる。ただ、平田薫演じる主人公は、その行為に没頭していくことによりどんどん孤独になっていく。ので、ある人物が縄をほどくという行為は感動的なんですよね。このシークエンスにおける濡れ場のエロスを助長したのもそれがあるのかも。ただ、この映画はそこで終わらず、別の人物とのシークエンスでもってエンディングを迎える。ここでのエモーションの爆発。結局孤独な人物同士ではわかりあうことはできないのか。どうかこの子たちを救ってほしい。そんな気分になった。

『自縄自縛の私』を見てどうしても考えてしまうのが、自分の彼女が特殊な性癖を持っていたらそれを受け入れられるかということ。この映画の平田薫くらいなら大丈夫だと思うけど、特殊な性癖って本当に特殊なのは特殊だからな。どうしても性的興奮に結び付かないのはあるし。