銀杏BOYZ「DOOR」

　もう一枚のほう。こちらではより叙情性が増している気がする。ゴイステ時代から好きだった「惑星基地ベオウルフ」や「銀河鉄道の夜」みたいに、ミネタの故郷、山形の夜が思い浮かぶようなナンバーが多い。本作も前半はかなり音が汚い。ハードコアだ。だけど、ある種の感情を持っている人なら鑑賞に堪えることができるだろう。個人的にはTheピーズを思い起こさせるガレージナンバー「あの娘は綾波レイが好き」がベスト。
この二作を通して聴いて思ったのは、この作品に一番近い表現は大槻ケンヂの「グミ・チョコレート・パイン」シリーズだということだ。従来の音楽の容量を無視したような情報量と感情が載ったこのアルバム。自分がもてないと思う方、自虐癖のある方はぜひ聴いてほしい
　余談だが、僕の住む福岡で19日に銀杏BOYZのライブがある。僕は最初チケットを取れなくて、散々手を尽くしても八方塞ですっかりあきらめていたのだが、ある日サークルの先輩がこのライブのチケットを買ってほしいとおっしゃったので、迷うことなく立候補した。あと3日だがこのライブを体験するコトで僕に変化がありそうな気がする。そう大げさかもしれないけど。

DOOR