OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

ガール・ネクスト・ドア

 2004年公開の青春映画。『24』に出演していたエリシャ・カスバートがヒロインを演じています。
 内容は、ハイスクールで生徒会長を務めるマシュー、まじめだけがとりえで地味な青年、高校の思い出はと言われても思い当たることがない。そんな彼が卒業間際、隣の家に引っ越してきた女性・ダニエルと出会う。一見清楚な彼女に惹かれるが彼女は実はポルノ女優だった・・・、というもの。日本で言えば、いわゆる「落ちモノ」ってやつだろうか。近所の人と恋に落ちる物語のことを「ガール・ネクスト・ドア・ストーリー」と呼ぶこともあるらしい。
 中身は、期待通りのエロ・コメディ的要素も確かにあるんだけれど(エリシャ・カスバートは脱がないけど)、コメディ要素が強くて、とても笑えた。やっぱりアメリカ映画、っていう、エンターテイメントに徹して金を掛けまくったんだろうなっていうシーンもあって、面白かった。主人公の男の子も演技はよかったと思うし、マシューの親友役2人、ポルノプロデューサーのケリーとか、脇を固める人もすごくよかった。はまり役でない人が一人もいないくらい。欲を言えば、エリシャ・カスバート演じるダニエルが、途中から微妙に性格が見えなくなる感じがして、それだけが物足りなかった。
 あと、これに描かれる青春の要素もすごくよかった。すこし安達哲のマンガ「キラキラ!」を思い出した。「アメリカン・グラフィティ」のようなアメリカのハイスクール生活って、日本でさえない学生生活を過ごしている時分にはすごく輝いて写るし、それでいて同時にさえない童貞の悩みを描いているって言うのがポイント高かった。「キラキラ!」に比べてこちらはストーリー展開のエンターテインメントを中心に添えていて、それがこの映画を成功させているのかなと思った。「キラキラ!」の高級感とビンボ臭さが同居した感じってのは日本人じゃないと出せないと思うし。日本で同じ設定のドラマやったらものすごく貧乏臭くやってしまうと思う。アメリカではポルノスターって言葉もあるくらいだし。競れ部が集うポルノの品評会も日本だとAV女優の握手会ぐらいで終わってしまうからな。いや、好きなんだけどね。
 この物語は、主人公マシューの成長譚だと思うし、自分の損得を考えずに愛する人を守ろう、救おうとする姿には心打たれた。もっと多くの人に見てほしいな。まあ、地上波での放映は無理だろうけど。
86/100

ガール・ネクスト・ドア [DVD]

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