亀は意外と速く泳ぐ
2005年上映 監督・脚本:三木聡
キャスト:上野樹里、蒼井優、岩松了、ふせえり、松重豊、村松利史、緋田康人、要潤、森下能幸、松岡俊介、水橋研二、温水洋一、岡本信人、嶋田久作、伊武雅刀
うわー、これ好きだ。脱力系エンタテイメントって銘打たれているけど、これをどう捉えるか。とにかく、平和な世界観が好きで、見終わるのが惜しいと思ったくらい。
監督は『ダウンタウンのごっつええ感じ』や『トリビアの泉』などで放送作家をしていた人らしく、それらの番組に触れて育った僕にはかなりギャグが壷に嵌りました。ベタなんですけどね。
全体的には、スズメ(上野樹里)のナレーションを中心に進んでいきます。小説で言えば一人称みたいなものですね。
上野樹里さんは造詣としては多少下膨れ気味なのと眉毛が濃いのとで、見ようによっては美人には見えないのですが(このDVDのジャケットもあまりよく映っているとはいえない)、その分この、何をやっても平凡な主婦・スズメ役ははまり役だと思いました。対になる蒼井優もエキセントリックな女性が似合います。それに、脇を固める人もいいです。
結局最後までスパイ組織の実態も明かされないし、スズメの夫も出てきません。それどころか、本来の物語としては大切にすべき設定や物語の流れというものを大幅に無視して、本編とは直接関係のない小ネタや小道具に多くを割いている気がします。こういったところで好き嫌いが分かれるかもしれませんが。この辺、中島哲也さんの手法とも重なりました。こういった手法がひとつのジャンルとして確立される日も近い間も知れませんね。
87/100
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2006/01/25
- メディア: DVD
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