At the Hickory House Vol.2/Jutta Hipp
Release 1956
ドイツ出身の女性ピアニストがリリースした数少ない作品。邦題は「ヒッコリー・ハウスのユタ・ヒップ」。
さあ、俺にとっての鬼門です。ジャズって、聴いててすごく気持ちいいとは思うんですけど、うまく言葉にできないんですよね。
このアルバムはステーキが売り物の店「ヒッコリーハウス」で1956年4月5日に録音されました。後ろにかすかに聞こえる話し声や食器の音も臨場感を助長しているように思います。
演奏については、やはり女性ピアニストということもあってか、どの曲も甘く優しい解釈をしているように思います。このアルバムは「風と共に去りぬ」のテーマ曲であるM-1「Gone With The Wind」のカバーで幕を開けます。M-4「We'll Be Together Again」やM-7「Moonlight in Vermont」の甘い旋律がとろけるように感じられます。一方でM-9「If I Had You」のようにベースを前面に出したナンバーもあるわけですが、全体を通して軽妙ですね。
甘美な演奏もさることながら、終盤のM-8「Star Eyes」やM-10「My Heart Stood Still」に出てくるドラムプレイがすごく気持ちいいです。
ジャズに対して敷居の高いイメージを持っている人でもとっつきやすい作品ではないでしょうか。
★★★★★★★★★☆