アメリカン・ビューティー
で、エレファント観てたらどことなくこの映画を思い出した。サム・メンデス監督の2000年作品。
朱夏も終わりにさしかかろうとしているケビン・スペイシーが娘の親友のウェス・ベントリーに一目ぼれし、体を鍛え始めるくだりが最高。
思うのだけれども、この映画ってどことなく不思議なリズムがある。崩壊を描いているのだけれど、スペイシーは終始一貫して無頓着だし、妻のキャロラインは自爆しているし、娘(ソーラ・バーチ)は娘で駆け落ちなんかをしてしまうし、隣の一家との関わりも面白い。
だから、この悲惨な落ちを迎えても、ケビン・スペイシーが不幸だったようには思えない。それに、自分の思うがままに生きることを間接的にせよ選び取れたソーラ・バーチもウェス・ベントリーも、娘の彼氏のバディも、またバディの父親の軍人も不幸な感じはしない。
だけど、妻のキャロラインだけは不幸だ。彼女は夫を殺さなくてはいけないと言う強迫観念に取り付かれていて、それによって次のステージに進めるはずだった。だけど、それは二度と叶わなくなり、ずっと同じところに留まらざるをえなくなったのだから。
再チャレンジに遅い速いはない。ただ、キャロラインは運命の仕業で二度と再チャレンジができなくなった。
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