OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

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『セデック・バレ』(★★★★☆)

日本占領中の台湾で起こった「霧社事件」を一大スペクタクルで映画化! 政治的なデリケートさがあるためこの言葉を使うのが不謹慎かもしれないが、娯楽として素晴らしかった。日本映画黄金期を思わせられる。 ただ、確かに台湾統治時の日本の蛮行を描いては…

『そして父になる』(★★★★☆)

2013/10/4@シネマQ 2013/10/25@新宿ピカデリー ※内容に触れています はじめに、総評として。 実は『凶悪』以上に痛いところを突かれた気がした作品であります。それと、『桐島、部活やめるってよ』と同様の問題を扱っているように思います。どちらも問題提…

『映画「立候補」』(★★★★★)

平成23年の大阪府知事選挙において、マック赤坂をはじめとする泡沫候補とされた候補者の姿に迫るドキュメンタリー映画。 まず考えたのは。この映画、完全にこの歌の世界↓ マック赤坂にせよ外山恒一にせよ羽柴秀吉にせよ(この映画には出ていないけど)又吉イ…

乙郎的SF映画ベスト10

SF映画ベストテン - 男の魂に火をつけろ! 毎年恒例の、ワッシュさんの映画ベスト企画に参加させていただきたく存じます。 毎年、こういったランキングを作成すると自分があまりジャンル映画的な見方をしてこなかったことを思い知らされるわけですが、今回も…

『セレステ∞ジェシー』(★★★★★)

当初4館の限定公開から586館まで拡大公開を成し遂げた恋愛映画。主演のラシダ・ジョーンズ(クインシー・ジョーンズ)自身の経験がもとになっているらしい。『ルビー・スパークス』('12)といい、経験をもとにした物語を女優本人が演じると言うのはトレンド…

『フィギュアなあなた』(★★★☆☆)

これは石井隆が時々撮るワンアイディアな小品だ。つまり、『フリーズミー』('00)路線。それゆえの物足りなさは残る。 序盤の社畜描写で心折れかけた。 いやー、変な映画だった。おそらくは是枝裕和監督『空気人形』('09)に対する石井隆監督なりの解釈なんだ…

『パッション(2012年版)』(★★★★★)

やばい!さいこう!ふるえが止まらねえ! 『パッション』はもうとにかく、映画で得られる快楽が全て詰め込まれたような映画だった! そのために同時代性だの政治性だの説教くさいメッセージだのを一切取り払った構成が潔い! やるならここまでやれよと! 見…

『あの頃、君を追いかけた』(★★★★☆)

台湾で大ヒットしたネット小説を原作者のギデンズ・コー自身がメガホンをとって映画化した作品。 問題児コートンと優等生シェンとの間の10年間にわたる恋愛を90年代青春風景やコメディを交えて描く。 くぅーーーっ!染みるねえ。 主人公たちの世代はぼくより…

『ハッシュパピー 〜バスタブ島の少女〜』(★★★★★)

ほぼ無名キャストと監督の作品ながら、サンダンス映画祭で喝さいを浴び、主演のクヮヴェンジャネ・ウォレスはアカデミー主演女優賞に最年少でノミネートされた。監督のベン・ザイトリンはぼくと2つしか歳が変わらなかった。 作品の感想、とてもよかったです…

『華麗なるギャツビー(2013年版)』(★★★★☆)

スコット・フィツジェラルドによるアメリカ文学史に燦然と輝く小説を、『シカゴ』('02)等ミュージカル映画における仕事で知られるバズ・ラーマン監督が映画化。 ギャツビーというキャラクターがアメリカの青春を象徴しているキャラクターであるため、映画そ…

『凶悪』(★★★★☆)

文字通り「凶悪」な映画解説 死刑囚の告発をもとに、雑誌ジャーナリストが未解決の殺人事件を暴いていく過程をつづったベストセラーノンフィクション「凶悪 ある死刑囚の告発」(新潮45編集部編)を映画化。取材のため東京拘置所でヤクザの死刑囚・須藤と面…

『偽りなき者』(★★★★☆)

デンマークの監督、トマス・ヴィンターベアの2012年作品。「子供と酔っぱらいは嘘をつかない」というのはデンマークの諺らしいが、この映画は保父であるルーカス(マッツ・ミケルセン)が子どものついた嘘によって性的虐待者の濡れ衣を着せられて追い詰めら…

『監禁探偵』(★☆☆☆☆)

夏菜と三浦貴大W主演のシチュエーションスリラー。 嫌いではないが、正直言って完成度は低いと思います。元々、映画の持つルールと推理モノのもつルールって相いれないところがあって相性が良くないのですが、これはまさにその部分が出たかなと。 低予算映画…

『オブリビオン』(★★★★☆)

トム・クルーズ主演のSF作品。監督はジョセフ・コシンスキー。異星間戦争により荒廃した地球に住む男・ジャックは不可思議な夢を見る・・・。 傑作じゃないですか!とにかく見ていて気持ちのいい画と音楽が続いて、正直に告白すると途中で眠くなり、最初から…

『アイアンマン3』(★★★☆☆)

マーベル系列作品の中では一番好きかもです。ただ、ある程度偏った見方ではあるものの。その理由は以下に述べます。 ジョン・ファブローからシェーン・ブラックへ監督が変わったこともあってか、序盤から実にシリアスなトーンで、これは今までのアイアンマン…

藁の楯(★★★★☆)

木内一浩原作小説を三池崇史監督が映画化。十億円の懸賞金と引き換えに殺害を依頼された凶悪犯を護送する過程を描く。出演は大沢たかお、松島菜々子、藤原竜也等。 素晴らしいじゃん!確かにお話として強引なところはあるけれども、このお話の持つ寓意、そし…

『リンカーン』(★★★★☆)

スピルバーグが長年とりかかってきたリンカーンについての映画。憲法修正第13条が議会で審議される過程を描く。リンカーンを演じるのはダニエル・デイ・ルイス。 贅沢な画面の連続。リンカーンの伝記映画というアプローチを少し外した構成。はっきり言って勉…

『AURA〜魔竜院光牙最後の戦い〜』(★★★★★)

田中ロミオ原作のライトノベルを『瀬戸の花嫁』('07)『Angel Beats!』('10)等を手掛けた岸誠二が監督。いわゆる「中二病」の少女との巻き込まれた少年の交流を描く。 初めに言っておく。これは映画としてもアニメとしても大したことないし、たぶん歴史には残…

シュガー・ラッシュ(★★★★★)

SR シュガー・ラッシュのラルフ解説 ヒーローにあこがれる人気ゲームの悪役を主人公に描くディズニー・アニメーション。アメリカで長年親しまれているアーケードゲーム「Fix-It Felix」の悪役キャラ、ラルフは、嫌われ者の悪役を演じ続けることに嫌気がさし…

マン・オブ・スティール(★★★☆☆)

スーパーマン≒アメリカ スーパーマンlovesエイミー・アダムズ すなわち、 アメリカlovesエイミー・アダムズ解説 「ダークナイト」のクリストファー・ノーランが製作、「300 スリーハンドレッド」のザック・スナイダー監督のメガホンでリブートされた新たな「…

ダークホース〜リア獣エイブの恋〜(★★★★☆)

あばばあばばあばば 解説 「ウェルカム・ドールハウス」「ハピネス」などで知られる鬼才トッド・ソロンズが、オタク青年の恋の行方をシニカルに描いたドラマ。父親が経営する会社で働く30代の独身男エイブは、フィギュア収集が趣味のマザコンオタク。そんな…

さよなら渓谷(★★★☆☆)

すべては真木よう子に捧げられて解説 真木よう子が「ベロニカは死ぬことにした」以来7年ぶりに単独主演を飾り、吉田修一の同名小説を映画化した人間ドラマ。緑豊かな渓谷で幼児殺害事件が起こり、容疑者として実母の立花里美が逮捕される。しかし、里美の隣…

ゼロ・ダーク・サーティ(★★★★★)

CIAで働いてるんだが、私はもう限界かもしれない解説 2011年5月2日に実行された、国際テロ組織アルカイダの指導者オサマ・ビンラディン捕縛・暗殺作戦の裏側を、「ハート・ロッカー」のキャスリン・ビグロー監督が映画化。テロリストの追跡を専門とするCIAの…

夏の終り(★★★☆☆)

なぁ〜つのお〜わ〜り〜(裏声)解説 作家の瀬戸内寂聴が出家前の瀬戸内晴美時代に発表した小説で、自身の経験をもとに年上の男と年下の男との三角関係に苦悩する女性の姿を描いた「夏の終り」を、鬼才・熊切和嘉監督が映画化。妻子ある年上の作家・慎吾と長…

東京家族(★★★★☆)

ハンパな強がり TOKYO来てから 解説 「男はつらいよ」「学校」シリーズの山田洋次81本目の監督作。映画監督生活50周年を機に、名匠・小津安二郎の「東京物語」(1953)にオマージュをささげた家族ドラマ。瀬戸内海の小さな島に暮らす平山周吉と妻のとみこは…

真夏の方程式(★★★☆☆)

ディア・プロフェッサー 解説 東野圭吾原作、福山雅治が天才物理学者・湯川学を演じる人気シリーズの劇場版第2作。子ども嫌いで有名な湯川が、10歳の少年・恭平と海辺の町で夏を過ごすことになり、事件に巻き込まれていく姿を描く。手つかずの美しい海が残る…

パシフィック・リム(★★★★☆)

いいから早く怪獣とかロボットのすごいの見せてよ解説 「ヘルボーイ」「パンズ・ラビリンス」のギレルモ・デル・トロ監督が、謎の巨大生命体と人類が開発した人型兵器との壮絶な戦いを描いたVFX超大作。2013年8月11日、太平洋の深海の裂け目から超高層ビル並…

ムーンライズ・キングダム(★★★★☆)

ムーンライズ伝説 「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」「ダージリン急行」のウェス・アンダーソン監督が、1960年代の米東海岸ニューイングランド島を舞台に、12歳の少年と少女が駆け落ちしたことから始まる騒動を、独特のユーモアとカラフルな色彩で描いたドラ…

風立ちぬ(★★★★★)

宮崎駿史上もっとも”正気”な作品解説 宮崎駿監督が「崖の上のポニョ」(2008)以来5年ぶりに手がけた長編作。ゼロ戦設計者として知られる堀越二郎と、同時代に生きた文学者・堀辰雄の人生をモデルに生み出された主人公の青年技師・二郎が、関東大震災や経済…

聖☆おにいさん(★★★☆☆)

誰を呼ぶ? 解説 聖人イエスとブッダが東京・立川で過ごす日常を描いた中村光の人気ギャグ漫画をアニメーション映画化。世紀末も無事に超えることができたブッダとイエスは、バカンスとして下界に降臨。立川のアパートで共同生活を送っていた。素性がばれな…