OKINAWA MOVIE LIFE

沖縄(宮古島)在住の映画好き。ツイッターは@otsurourevue

2010-01-01から1年間の記事一覧

?/Perfume

Release 2009.7.8/TOKUMA JAPAN Perfume三枚目のアルバム。 改めて聴いてみると、もともとエフェクトをかけていた3人の声が、ここでは完全にトラックを形成する一部になっていて、一番注目を集めていた時期にこのアルバムを出したのは中田ヤスタカ恐るべし…

川の底からこんにちは(★★★★☆)

この映画によく出てくる言葉「しょうがない」「中の下」そして「がんばる」。 頑張っている姿は、みっともないしカッコ悪い。どれだけ世間が美化しても、それは事実だ。 それでもがんばるしかない。開き直るしかない。それが、この映画のテーマ。 一応、体裁…

悪人(★★★★★)

間違いなく物議を醸し出す問題作になるだろう。 もう一つの問題作『告白』('10)と同じく、こちらも原作をほぼ忠実に映像化している。 ただし手法は真逆。『告白』が原作の一部分を拡大解釈しているのに対し、こちらでは原作の説明過多な部分を削ぎ落している…

息もできない(★★★★★)

桜坂劇場では飽きるくらい予告がかかっていた。 その予告から受ける印象は、いかにも韓国らしいべたべたな展開で泣かせるドラマだった。 けれど、始まって数分、印象は裏切られる。 まず、手ぶれを多用した撮影。最近よくみられる手法(『ハートロッカー』と…

インセプション(★★★★☆)

これは是非映画館の大スクリーンで観てほしい。 そもそも、夢に中に入り込むという設定(=夢と現実の境目が不明瞭になる)は、映画という媒体に非常に合っているんだよね。 暗闇の中で、スクリーンに映し出される映像に身を委ねるという行為は、夢を観てい…

ベスト・キッド(2010)(★★★★★)

80年代の映画のリメイクらしいけれど、元の映画は観てない。 超おもしろかった。140分息も着かせぬ傑作。 素晴らしいエンターテイメントなんでぐだぐだ言うのはしょうもないのだけれど、個人的に印象に残ったのはジャッキー・チェン演じる師匠が初めてシャオ…

人情紙風船('37/山中貞雄)

いわゆる貧乏長屋を舞台にした戦前の映画なんだけど、簡単に一言で言いきれないような何かがある作品。 詳しく調べたわけじゃないけれど、この時代ってもっと善悪がはっきりしていたはず。なんせこれから太平洋戦争に向かおうという時代なんだから。 けれど…

冷たい雨に撃て、約束の銃弾を(★★★★★)

ジョニー=トー監督のハードボイルドな映画。 大筋は復讐劇。最初の数分は、どこかでみたような展開と、ギャグのような展開の速さに「またタランティーノのエピゴーネンか」と思った。 しかし、物語が進むにつれて引き込まれていった。個人的にはタランティ…

カラフル(2010)(★★★★★)

自分もわりと大人になったわけで、少しくらい嫌なことがあってもちょっとはひきずるけれどすぐ立ち直れるようにはなった。しかし中学生のころはひどかったなー。プラプラの言葉を借りれば「ガラスのハートは粉々や」ってところか。 幸不幸というのは主観的な…

トイ・ストーリー3(★★★★★)

人気シリーズの10年ぶりの新作にして、たぶん完結編。 面白かった!一部の隙も見当たらない最高のエンターテインメントだった!もう正直この作品をみてあーだこーだ言うのは冒涜になりやしないかとさえ思う。 僕は「トイ・ストーリー」は「1」を小学生の頃…

斜陽/太宰治

太宰治の代表作。 久々に読む。 人は恋と革命のために生まれてきた、か・・・。 日本では民衆革命によって社会が動くということが(少なくとも欧州に比べては)なかった。 だからかどうかは知らないけれど、日本人にはある種の諦念が根付いている。 それは、…

(500)日のサマー(★★★☆☆)

ライターのトムが同じ会社のサマーという女の子に一目ぼれしてから振り回される500日間を時間軸バラバラで描いた映画。 そこまではまれなかったのはサマーをそんなに可愛いと思えなかったからかもしれない。 そばにいる友人の立場で、「そんな女はやめておけ…

アウトレイジ(★★★☆☆)

北野武監督の最新映画。 全体的に、いつもの北野監督にありがちなトリッキーな演出は出てこないし、北野映画の特色だった即興的な演技もほとんど出てこない。 ストーリーは今までで一番に比べるとしっかりしているもののこのストーリーを通して世間に何かを…

僕の彼女はサイボーグ('08/クァク・ジェヨン)

「彼女」シリーズで有名なクァク・ジェヨン監督の作品。 乱暴に説明すると「ドラえもん≒綾瀬はるか」。 やっぱり「彼女」シリーズだと『猟奇的な彼女』が一番かな・・・。 一番気になったのは、SFとして結構設定に矛盾があるところ。 タイムパラドックス的に…

サンボマスターは君に語りかける/サンボマスター

最近ひさびさに聴いたけれど、やっぱりいいアルバムだなーと思った。 このアルバムをよく聴いていた2005年当時にはうまく言語化できなかったんだけれども、今なら「なぜあの頃サンボマスターの楽曲に惹かれたのか」がわかる。 サンボマスターは、あの当時に…

SR サイタマノラッパー('09/入江悠)

埼玉の田舎町でくすぶりながらラッパーをやっている主人公たちが、元AV女優の高校の同級生に会ったこときっかけでバラバラになる。 田舎でくすぶっている若者の群像劇というと「木更津キャッツアイ」が真っ先に思いつくけれど、この映画にはそんな爽快感は…

スタンド・バイ・ミー('87/ロブ・ライナー)

名画の誉れ高い作品だけど、ちゃんと観たのは初めて(原作は読んだことある)。 アメリカの雄大な自然、50年代の裕福とは言えない時代における格差、冒険、少年たちの将来の悩み、いろんなものが詰まっていると思った。 実際に今見るとチープなところも多い…

ハートロッカー(★★★☆☆)

アカデミー賞でも話題になった映画。万人受けはしないと思うけど、かなり面白かった。 イラク戦争において、爆弾処理班のジェームズという男が主人公。 ジェームズはかなりデスペラード(命知らず)な方法で爆弾を処理していく。 これを観て考えたこと。 仕…

接吻('08/万田邦敏)

口コミで話題になった2008年の映画。 内容は、死刑囚と結婚した女の話で、宅間某の事件をベースにしているものの完全にフィクションとなっている。 死刑囚と結婚しようと思うなんて、と私たち一般人には理解不能に思われることを、なんとか理解できる範疇に…

すべては海になる(★★★★★)

今のところ、今年公開の映画で一番面白かった! 戦っている作品が好きだ。 みんなが冗談ですませられるようなことに真剣になって、息苦しくなっている登場人物が好きだ。 この映画を観た日、僕は人間関係で少し思うことあって、ささくれだった状態になってい…

スリ('00/黒木和雄)

アル中になったスリ・海藤(原田芳雄)が再生していく話。 ちょっと「偶然」の使い方が鼻についたけど、純粋にいい話だった。 弟子の真野きりなはかつて兄妹そろって海藤に弟子入りしていたが、兄が裏切って、その罪悪感から海藤についている。 ひょんなこと…

水城せとな「失恋ショコラティエ」

「2次元はアート。アートは人生を彩る大切な花。 でも恋はアートじゃない。人生そのもの。 過酷でドロドロに汚れるものだ。」 恋愛を題材にした作品を読んでいて時々思うことは、 これ結局「偶然」がなきゃうまくいかなかったんじゃない? ということだ。 筆…

汚れた血('86/レオス・カラックス)

「女の子に気に入られたくて素朴になろうとしたけれど・・・素朴になるのは難しい・・・」 1986年のフランス映画。 正直にいえば、完全に理解できたとはいえない。 失敗作じゃないかなー、とさえ思っている。 ドニ・ラヴァン演じるアレックスは爬虫類系の顔…

恋する惑星('94/ウォン・カーウァイ)

今から10年くらいまえにはやった香港映画。 刺激的な映像が気持ちいい。 香港という街並の色んなものをごったにした感じもいい。 最初は違和感があるけれど、恋人にふられた金城武が誰かれ構わず電話するシーンあたりから引き込まれた。 この物語は孤独な人…

シンクロニシティーン/相対性理論(2010)

やっぱこの人の声は最高だわ。 いろいろな人とコラボレーションしてたけど、相対性理論のスカスカな演奏が一番あうなと実感した。 相対性理論を聴くと懐かしいような新しいような、不思議なきもちになる。 今までの作品で一番「中毒性」あるかも。「シンデレ…

月曜日のユカ('60/中平庸)

加賀まりこの魅力が炸裂しているスタイリッシュな映画。 当時のフランス映画からの影響も強いんだけど、やっぱり日本でしか撮れないだろうな、ってことを思わせてしまう。 加賀まりこ演じるユカは、誰とでも寝るけどキスは許さない。パパ(血縁関係はない愛…

涼宮ハルヒの消失(★★★☆☆)

人気アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」でも特に人気の高いエピソードの映画化。 映画化といっても、どうしても動画サイト対策といった下衆めいた勘ぐりをしてしまうのだけれど。 アニメ「ハルヒ」の作品のひとつとしてはよかったのだけれど、映画としてみるとやっ…

鴛鴦歌合戦('39/マキノ雅弘)

戦前のミュージカル映画。しかも国産。 ミュージカルってそもそも非現実的なものだから、完全に別世界のものとして楽しまなきゃいけない。だから、ノリが合うか合わないかはすごく重要。 余談だが、「マンマ・ミーア!」を観に行ったら客が女性かカップルば…

スピッツ「隼」

2000年リリース。スピッツの9枚目のアルバム。 極論を言うと、スピッツの魅力とは「片想い」。それは、好きな相手に対してでもあり、社会に対してでもある。 そして、この「隼」というのは「片想い」の方向へメーター振り切ったアルバムだと思う。 愛される…

ゆらゆら帝国「空洞です」

ゆらゆら帝国は解散しない、と思ってた。 確かに、ラストアルバムとなってしまったこの作品の酔泥感はすごいものがあるけど、その次を見たかったし、というか、ゆらゆら帝国を離れた坂本慎太郎の姿がまったく想像つかないし。 さて、このアルバム。 曽我部恵…